$PQVERNO,LC79DANR01A07S,2022/03/24,16:44:51*65
1. USB接続の仮想シリアルポートは「拡張COMポート」と「標準COMポート」の2つのシリアルポートをサポートする
2. GPSコマンドは拡張COMポートに対してのみ有効
拡張COMポートはデバイスマネージャーの「ポート(COM と LPT)」で確認できる(「Enhanced COM Port」の記述がある)。
NMEA出力周期変更などのコマンドはその後にホットスタートなどのコマンドを実行するまで反映されない。
3. シリアルポートの通信速度を57600bps以外に変更した場合はBluetooth SPP接続が使用できなくなる
4. NMEAセンテンスの測位状態は「非測位」と「単独測位」の2種類のみ(DGPSなどは出力されない)
5. GSVセンテンスの「Msg total」と「Msg num」の割り当てがu-blox ZED-F9Pと異なる
u-blox ZED-F9Pは「Msg total」をSignalIDで分離しているが、P-7 Proは一括表示する
$Msg ID,Msg total,Msg num, ... ,Signal ID*sum
P-7 Pro
$GAGSV,4,1, ... ,6*75 (L1-A)
$GAGSV,4,2, ... ,6*7A (L1-A)
$GAGSV,4,3, ... ,1*73 (E5a)
$GAGSV,4,4, ... ,1*7B (E5a)
ZED-F9P
$GAGSV,3,1, ... ,2*7D (E5b)
$GAGSV,3,2, ... ,2*7D (E5b)
$GAGSV,3,3, ... ,2*7B (E5b)
$GAGSV,2,1, ... ,7*72 (L1-BC)
$GAGSV,2,2, ... ,7*44 (L1-BC)
6. NMEAセンテンスのPRN番号がu-blox ZED-F9Pと異なる
u-blox ZED-F9PのPRNに対してGalileoは+100、BeiDouは+200となっている。
7. GSVセンテンスの GLONASS と BeiDou のレポート衛星数が少ない。
NMEA サンプル
$GNRMC,035100.00,A,3521.056771,N,13923.388304,E,6.7,88.8,080523,,,A,V*01
$GNGGA,035100.00,3521.056771,N,13923.388304,E,1,17,1.2,8.0,M,39.0,M,,*7B
$GNGLL,3521.056771,N,13923.388304,E,035100.00,A,A*79
$GPGSV,4,1,12,01,74,354,42,03,41,162,45,07,14,216,38,08,35,088,47,1*67
$GPGSV,4,2,12,14,49,306,26,27,05,099,28,30,21,249,41,1*58
$GPGSV,4,3,12,01,74,354,42,03,41,162,45,08,35,088,46,27,05,099,27,8*64
$GPGSV,4,4,12,30,21,249,46,8*53
$GLGSV,1,1,01,87,48,305,25,1*4B
$GAGSV,2,1,08,112,30,248,35,121,04,150,25,131,64,291,43,133,74,317,45,6*7F
$GAGSV,2,2,08,112,30,248,37,121,04,150,25,131,64,291,45,133,74,317,44,1*7E
$GBGSV,2,1,05,207,65,311,37,209,08,236,26,211,45,050,24,223,44,235,45,1*77
$GBGSV,2,2,05,225,18,185,38,1*78
$GQGSV,2,1,06,02,68,190,45,03,86,309,45,07,47,201,38,1*5F
$GQGSV,2,2,06,02,68,190,44,03,86,309,44,07,47,201,43,8*59
$GNGSA,A,3,01,03,07,08,14,30,,,,,,,2.0,1.2,1.7,1*3D
$GNGSA,A,3,87,,,,,,,,,,,,2.0,1.2,1.7,2*3A
$GNGSA,A,3,112,131,133,,,,,,,,,,2.0,1.2,1.7,3*04
$GNGSA,A,3,207,211,223,225,,,,,,,,,2.0,1.2,1.7,4*32
$GNGSA,A,3,02,03,07,,,,,,,,,,2.0,1.2,1.7,5*34
$GNVTG,88.8,T,,M,6.7,N,12.4,K,A*1D
8. 海抜高度の分解能は1m単位 (0.1mの桁は常にゼロ)。
9. P-7 Pro と NEO-M8U, ZED-F9P(SLAS) の比較: 24時間観測データ
測位モード |
2drms(水平) |
2drms(垂直) |
平均値の誤差(水平) |
平均値の誤差(垂直) |
P-7 Pro |
3.14m |
4.69m |
1.55m |
2.01m |
NEO-M8U |
2.30m |
3.27m |
0.51m |
-0.16m |
ZED-F9P (SLAS) |
1.76m |
3.35m |
0.14m |
1.03m |
* P-7 Pro は CEP(50%) = 3.14m*0.416273762 ≒ 1.31m
* P-7 Proは仕様通りの性能が出てない(少なくとも日本領域では)。
注)2drmsは計算公式で求めているので分散が正規分布から外れると誤差を生じます。
測定値をカウントして求めた実際の値は下記のとおりです
P-7 Pro |
水 平 |
垂 直 |
CEP(98.17%) |
3.64m |
6.9m |
2drms(95.45%) |
3.06m |
6.2m |
CEP(95%) |
3.02m |
6.2m |
CEP(90%) |
2.55m |
5.2m |
CEP(50%) |
1.21m |
2.2m |
P-7 Pro 誤差グラフ(24時間観測:平均値基準)
P-7 Pro XY軌跡プロット(24時間観測:平均値基準)
NEO-M8U 誤差グラフ(24時間観測:平均値基準)
NEO-M8U XY軌跡プロット(24時間観測:平均値基準)
ZED-F9P(SLAS) 誤差グラフ(24時間観測:平均値基準)
ZED-F9P(SLAS) XY軌跡プロット(24時間観測:平均値基準)
注) SLAS は日本領域でのみ有効です。
10. 消費電流
約69~113mA (付属アンテナANT-DF1を含む)。
11. 市街地での軌跡の比較
アンテナはBT-345AJ (Beitian)をスプリッターで分岐して使用した (アンテナ位置は頭上)。
1) P-7 Pro とNEO-M8U の比較
2) P-7 Pro と ZED-F9P の比較
12. 使用した感想
マルチパス対応のため市街地でもブレがなくすっきりした軌跡が得られる。
オープン スカイでの絶対位置精度は1周波GPSと大差ない。
13.資料リンク
PDF: LC79D (A) GNSS Protocol Specification
追記
P-7 Proの測位精度をテストする方法 によると観測時間を1時間以上としており、
図例も1時間の観測でCEP(50%)=0.455185mとなっています。
しかしGPSの精度を求めるには24時間の観測が必要です(正確には 恒星日=23:56:04.0905)。
2drmの収束例
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